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日本の妖美

 おでかけ日和の続いたゴールデンウイーク!
 弥生美術館で「日本の妖美 橘小夢展(6月28日まで)」を見てきました。
 
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 橘小夢の作品は、この本で知ってからとても心惹かれており、ぜひ原画を見たいと願っていました。表紙は橘小夢の「地獄太夫」。これもありましたよ~♪ 感動。打掛の柄、めちゃめちゃ「地獄」なの!びっくりしますよ、ほんとに。
 
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 幻想的で美しく、エロティックでもあり、あるいはまた、ちょっと怖くて・・・橘小夢作品は「妖美」という言葉がまさにぴったり。
 しかし、決して奇をてらった作品というわけではなく、日本の古くから伝わるモノの中に潜む闇や陰にクローズアップし、そこから画家特有の感性と技法で美の要素を浮き上がらせる。 
 闇の中で仄明るく光を放つような美。そんな橘小夢作品がたくさん展示されており、大変にうっとりしました。
 絵画作品のみならず、挿絵作品も素晴らしかったです。読者に物語世界をより印象付ける「挿絵」の類が大好きなので、じっくり鑑賞しました。
 「牡丹灯籠」、怖くて良かったなぁ。紙の白と墨の黒、無駄のない線、見事に計算された空間の余白は、見る者が想像を膨らませるための余白。それと「澤村田之助」も妖しく怖くて素晴らしかった!これはポストカードを購入しました。
 
 併設の竹久夢二美術館も楽しみました。夢二作品、とても好きです。あらためてじっくり鑑賞すると、女性の姿態の描き方、色使いなど、素晴らしいデザイン性にびっくりします。乙女の心をワシ掴みするのも納得。高畠華宵先生の女学生コーナーも面白かった。女の子はいつの時代も可愛い。


 それからもう1つ「妖美」なるものを鑑賞しに、ギャラリー新宿座へ。
「小妻要・容子原画展 一人称二人展」(5月17日まで)。 
 刺青美女を描く日本画家、小妻要の作品と、いわゆる「責め絵」画家としての小妻容子の作品(同一人物です)。整然と展示されている100展近い作品は、まさに圧巻!
 
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 女性の姿かたち、髪、表情、刺青、どれをとっても大変に緻密で鮮やか。描かれているモチーフがやや「特殊」だとしても、美しいことには違いない。
 特に目が離せなくなったのは、「責め絵」部門で描かれている「縄」。まるで生き物のようにいきいきと荒々しく、刺青美女の裸体を這い回り、絡みついている。質感さえ伝わってくるような縄の描き方に、小妻画伯の並々ならぬこだわりを感じました。
 
 展示作品の1つに、「映画「およう」の劇中で「『伊藤晴雨が描いた作品』として小妻画伯が描いた作品」がありました。
 はい、偶然ですが、ここで竹久夢二と繋がっちゃいました(竹久夢二の恋人だったお葉さんは、伊藤晴雨のモデルさんでもあったわけです)。
 
 妖美、堪能☆ 
 さまざまな形の美を、あちこちから補給。ワタクシの栄養源です。
 挿絵関連、それから責め関連に触れて、久々に読みたくなった文庫を引っ張り出す。
 これはすこぶる面白いです。あまり語られない分野の出版業界と周辺の実録。文筆家としての濡木痴夢男さんの作品、詳細な記録と熱い語りでグイグイ引き込まれます。
 
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 (あ、「裏窓」って久保書店だったのですね、今、カフェ百日紅さんで個展中のダーティ・松本先生の作品をたくさん出している出版社。わ、これも繋がっちゃった)
 

 ※※それにしても、上記のようなことについて、アロマ&ハーブ活動のブログに記してもいいのかなぁと迷いましたが、使い分けるほどマメではないし、対象が何であれ美しいと思うものは美しいし、心動かされることには違いはないし、そもそもそこらへんは自分が考えているよりも他人は気にしていないだろうなーと開き直った次第※※
by black22-lily5 | 2015-05-09 21:57 | 美しいもの

ハーバルセラピスト黒井ゆりのよろず稼業部門ブログ。アロマやハーブの魅力を様々なカタチでお伝えします☆ プロフ画=画家フユウ様作品


by 黒井ゆり(Y.Kuroi)
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