2015年 07月 25日
ヴィクトリアンのお針子
恵比寿の素敵なギャラリーMalleさんで「山本裕子のヴィクトリアン世界展」を拝見してきました(7月26日迄)。
2年前に亡くなった山本裕子さんの作品を2部構成で展示。前半は服飾作品中心。これは見逃してしまったのですが、今日、後半のドローイング等中心の展示は、じっくり堪能しました。
実は山本裕子さんのことは、私の好きな作家さんの山本じんさんの奥様であるということ以外、詳しくは存じ上げなかったのです。
しかし、ちょうど1年前、今回と同じギャラリーMalleさんでの展示を拝見し(☆過去記事)、素晴らしい作品を数多く残された、とてもとても素敵な女性だったことを知りました。
そして彼女の作品に、強く心惹かれるようになりました。
今回拝見した作品。ドローイング、コラージュ、人形・・・
繊細で緻密で、完全。それでいて堅苦しくなく、しゃれていて可愛い。
とても不思議なのは、それらの作品は一見すると、いずれも「いつの時代に、どこの国の、男性の手によるものか、女性の手よるものか」が、わからないということ。ほんとうに不思議。
つまり、境界をやすやすと超越した美?
山本裕子さんの作品が心を捉える理由の1つかもしれないなぁと・・・
ご自宅で使用されていたキャビネットや本棚なども展示されており、山本裕子さんがお気に入りだった小物やオブジェ、本がいくつも並んでいました。
素敵なものがみっしり詰まっておりました。
それらを眺めているだけでも、持ち主の脳内や美意識に触れた気がしてゾクゾク。
私がつい注目してしまったのは、ティータイムのしつらえを再現したテーブルです。
「エルメス」のティーカップ&ソーサー。
添えられていたティーバッグは、「マリアージュフレール」の「カサブランカ」というお茶。
お茶請けは、容器も麗しい「デメル」の「菫の砂糖漬け」
・・・ここに座っていた人は、とびきり素敵な人に違いない!
作品はもちろんのこと、生活の身の回りのもの1つ1つに、愛着と愛情とこだわり、類まれな美意識が込められているのを感じ、胸が熱くなりました。魂が揺さぶられるって、こういう瞬間のこと。
山本裕子さんは、ご自身を、デザイナーやアーティストではなく「ヴィクトリアンのお針子」と称するのが気に入っていらしたそうです。
刊行されたばかりの作品集を拝見しました。ヴィクトリアンのお針子。素晴らしい作品がたくさん掲載。黒、刺繍、ビーズ、レース、リボン、サテン、シフォン、ビロード、正統と異端・・・・・
本当に好みど真ん中で、うっとりのため息をつきっぱなし。
ヴィクトリアンのお針子・山本裕子さんの美意識の賜物である作品群は、これからも様々な境界を超越して、残り続けて行くと感じております。
残って行くけれど、いえ、残って行くからこそ、「遺作」とは呼ばないなぁと、ふと、思ったり。
今年もMalleさんの入り口前の小さなお庭や植物たちが美しかったです。緑がひときわ濃く、一方で色のあせたくらいの紫陽花の組み合わせが好き。
街中がどんなに暑くても騒々しくても、時を忘れて美しいものに浸り、息を吹き返した次第。
2年前に亡くなった山本裕子さんの作品を2部構成で展示。前半は服飾作品中心。これは見逃してしまったのですが、今日、後半のドローイング等中心の展示は、じっくり堪能しました。
実は山本裕子さんのことは、私の好きな作家さんの山本じんさんの奥様であるということ以外、詳しくは存じ上げなかったのです。
しかし、ちょうど1年前、今回と同じギャラリーMalleさんでの展示を拝見し(☆過去記事)、素晴らしい作品を数多く残された、とてもとても素敵な女性だったことを知りました。
そして彼女の作品に、強く心惹かれるようになりました。
今回拝見した作品。ドローイング、コラージュ、人形・・・
繊細で緻密で、完全。それでいて堅苦しくなく、しゃれていて可愛い。
とても不思議なのは、それらの作品は一見すると、いずれも「いつの時代に、どこの国の、男性の手によるものか、女性の手よるものか」が、わからないということ。ほんとうに不思議。
つまり、境界をやすやすと超越した美?
山本裕子さんの作品が心を捉える理由の1つかもしれないなぁと・・・
ご自宅で使用されていたキャビネットや本棚なども展示されており、山本裕子さんがお気に入りだった小物やオブジェ、本がいくつも並んでいました。
素敵なものがみっしり詰まっておりました。
それらを眺めているだけでも、持ち主の脳内や美意識に触れた気がしてゾクゾク。
私がつい注目してしまったのは、ティータイムのしつらえを再現したテーブルです。
「エルメス」のティーカップ&ソーサー。
添えられていたティーバッグは、「マリアージュフレール」の「カサブランカ」というお茶。
お茶請けは、容器も麗しい「デメル」の「菫の砂糖漬け」
・・・ここに座っていた人は、とびきり素敵な人に違いない!
作品はもちろんのこと、生活の身の回りのもの1つ1つに、愛着と愛情とこだわり、類まれな美意識が込められているのを感じ、胸が熱くなりました。魂が揺さぶられるって、こういう瞬間のこと。
山本裕子さんは、ご自身を、デザイナーやアーティストではなく「ヴィクトリアンのお針子」と称するのが気に入っていらしたそうです。
刊行されたばかりの作品集を拝見しました。ヴィクトリアンのお針子。素晴らしい作品がたくさん掲載。黒、刺繍、ビーズ、レース、リボン、サテン、シフォン、ビロード、正統と異端・・・・・
本当に好みど真ん中で、うっとりのため息をつきっぱなし。
ヴィクトリアンのお針子・山本裕子さんの美意識の賜物である作品群は、これからも様々な境界を超越して、残り続けて行くと感じております。
残って行くけれど、いえ、残って行くからこそ、「遺作」とは呼ばないなぁと、ふと、思ったり。
今年もMalleさんの入り口前の小さなお庭や植物たちが美しかったです。緑がひときわ濃く、一方で色のあせたくらいの紫陽花の組み合わせが好き。
街中がどんなに暑くても騒々しくても、時を忘れて美しいものに浸り、息を吹き返した次第。
by black22-lily5
| 2015-07-25 22:23
| 美しいもの